「天使と悪魔」を再読中、その2

反物質」は放射線を発しないような記述があるが、実際にはエックス線より強烈なガンマ線を発生する。「物質」と「反物質」の「対消滅」で発生する超高温に由来する。

また、「反物質0.25グラムで5キロトン」という記述がある。しかし「反物質」をエネルギーにするには「物質」が同量必要。よって「対消滅」する量は0.5グラムで威力は10キロトンが正しい。

悩ましいのはX-33で飛行すると体重が軽くなるという記述。これは正しいのだが、理由が「高空」を飛んでいるからと読める。

実際には「高空」が理由ではなく、X-33の飛行速度マッハ15が理由。遠心力で軽くなる。ちなみにマッハ数が30弱で重力と遠心力が釣り合い、いわゆる「無重力」になる。

作者はX-33の取材をしたのだが、半端に引用している感じ(--;)

0.25グラムもの「反物質」を磁場で閉じこめる記述も苦しい。この量だと電気的に中性にしなければならないが、中性だと、磁場に反応しにくくなる。

一番簡単に作れる「反物質」は「陽電子」で、これに「反陽子」を組み合わせた「反水素」が最も簡単な中性物質。ただし、これでは軽すぎるので、もっと重い「反原子核」を作る必要がある。

重くなると、磁性を持てる気がするから解があるのかも(^^ゞ